一生のうち交通事故に遭う確率は何%?
2002年頃、国土交通省が新たな道路政策を諮問した社会資本整備審議会の会議の場で、こんなユニークな資料が示されました。「人生で交通事故にあう人は、2人に1人」資料を提供したのは国交省です。
年間の交通事故死傷者数(118万人)を日本の総人口(1億2692万人)で割った「1年間で事故にあう確率」を0.9%と算出。
(1-118万人/1億2692万人)で「1年間に事故にあわない確率」を出し、一生を80年と仮定し、「1年間に事故に遭わない確率」を1から引いて80乗したそうです。そして、その結果は53%ということで、「人生で交通事故に遭う人は2人に1人」!?となったわけです。
しかし、近年はドライバーの意識、技術の進歩などから、事故も減少しており、現在(2018年)の年間の交通事故死傷者数は53万人、日本の総人口1億2633万人での確率は28%となり、だいたいではありますが「人生で交通事故に遭う人は4人に1人」となっています。ちなみに宝くじ1枚で1等が当選する確率は、約0.00001%言われていますが、ここ10年で事故に遭う確率が低くなってるとはいえ、比較すると、明日は我が身と考えてもおかしくない値ではないでしょうか。
もちろん、あくまでも「確率」ですから、わずか1年のうちに2回の交通事故に遭う不幸な人もいれば、一生涯交通事故に遭うこともない人もいます。
そんな中、加重障害に関するご相談が入ってきています。
「加重障害」とは
例えば、一度交通事故に遭い、後遺障害14級の認定を受けたとします。そして、その後、不幸にもまた交通事故被害者になり、後遺障害を申請(認定)する際に出てくる問題です。
これは、きわめて複雑な問題で、1回目の後遺障害の認定よりかなり面倒なことになるケースが多く、また、加重障害に関する情報は非常に少ないので、被害者は窮地に立たされてしまうのです。
加重障害に関してですが、基本的には、法第十三条第一項の保険金額は、既に後遺障害のある者が傷害を受けたことによつて同一部位について後遺障害の程度を加重した場合における当該後遺障害による損害については、当該後遺障害の該当する別表第一又は別表第二に定める等級に応ずるこれらの表に定める金額から、既にあった後遺障害の該当するこれらの表に定める等級に応ずるこれらの表に定める金額を控除した金額とする。ということになっています。
簡単に言うと、
1回目の事故で後遺障害14級が認められたとします。
2回目の事故では、後遺障害12級が認定されました。
その場合、12級-14級の分が支払いの対象ですよ、という意味です。
つまり、これはどういうことかというと、
1回目が14級で、2回目も14級相当であれば、後遺障害については支払い(請求)の対象にはならないのですが、もし2回目で12級相当であったならば、1回目で支払いされた金額を差し引いた12級相当の支払い(請求)の対象となります。
同じ等級に該当した交通事故被害者の方は憤慨し、落ち込み、あきらめます。当協会としても、何とかお役に立ちたいと考えますが、上記のように1回目14級、2回目14級の場合、後遺障害部分については、協力しようにも協力できないのです。その場合、私たちにできることは、12級の可能性を模索することです。
これも読んでね
冒頭で「一生のうち交通事故にあう確率は何%?」をご紹介しましたが、交通事故被害者にとっては、そんな確率はどうでもいいのです。どんなに小さな確率であったとしても、実際に自分がその当事者になったとき、「確率」などは関係なく、交通事故被害者としてさまざまな問題解決が待ち受けているのです。