飲酒運転で事故を起こしたら保険は支払われる?
こんにちは。
今月の9日、福岡県で飲酒運転での事故がありました。容疑者の車のフロントライトが故障しているのを警察が見つけ、声をかけようとしたら逃走をし、そして、数台の車を巻き込んだ事故を起こしてしまいました。5人の負傷者がでたようですが、死亡者がいなかったのが不幸中の幸いです。
そこで今回は、万が一、飲酒運転で交通事故を起こしてしまった場合に、保険はどこまで適用されるのか、ということをお話ししたいと思います。
まず、事故を起こした運転手がその保険の対象になっていることが前提で、本人のみや家族のみなどの特約で契約をしている場合は、その対象外の人が事故が起こしてしまった場合は、今回お話しする飲酒運転に限らず、保険は適応されません。そして、各保険には「免責事由」というものがあり、これに該当する場合には保険が支払われないという契約の条項で、この飲酒運転もその一つとなります。
自動車保険には、自賠責保険と任意保険がありますが、どちらの保険も「被害者救済」に観点を置いているので、基本的には飲酒運転で交通事故を起こしてしまった加害者本人には、保険は支払われません。(その運転手が無免許運転や麻薬服用などの事故でも同様です。)なので、その飲酒運転による交通事故の加害者の保険では、対人賠償と対物賠償のみが適用となります。飲酒運転をした加害者本人には、搭乗者傷害保険や人身傷害保険、さらに車両保険なども適用されません。
そして、飲酒運転にも2つの種類があります。「酒酔運転」と「酒気帯び運転」です。一例ですが、酒酔い運転ですと、もちろん上に書いた内容がすべてあてはりますが、酒気帯び運転と判断されたため、搭乗者傷害保険や車両保険が適用されたというケースもあります。この2つの飲酒運転のどちらなのかで、保険の適用範囲が大きく変わってきます。これは各保険会社によって変わってくるので確認が必要です。
保険会社側は支払いが少ない方がいいので、そういった飲酒運転による交通事故のケースでは、有無をいわず酒酔い運転で話を進めてくると思います。ですが、各保険会社の約款しだいでは、もしかしたら保険が適用されるかもしれません。最近では、飲酒運転の罰則も厳しくなっているため、保険約款も改正されてきているとは思いますが、こういった場面に遭遇してしまったら、すぐに弁護士に相談しましょう。最近では、相談無料の法律事務所も増えており、交通事故に特化した弁護士もいるので「交通事故=弁護士」という考えを頭に入れておいた方がいいかもしれません。≪弁護士一覧≫
2006年の道路交通法の改正により、飲酒運転の罰則が強化されたので、飲酒運転による事故は大幅に減ったようですが、全くなくなったわけではありません。きっと大丈夫だ、少しの距離だから、と思って運転をしてしまって、交通事故を起こしてしまうケースがほとんどなのではないかと思います。
飲酒運転は根絶すべきですが、ゼロになるというのはお酒と車がある限り、難しいのかもしれません。飲酒運転はリスクが大きすぎます。「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」を徹底し、周りにも声掛けをして、安全運転で事故を減らしていきましょう。