インドの交通死亡事故と電子商取引の配送事情
冬の足音が聞こえてくる今日この頃ですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
2015年も残すところ、2ヶ月と少しとなりました。年末は一般のドライバーだけではなく、運転を仕事としているドライバーの交通事故も増加します。家族と楽しい年末年始を迎えることができるよう気を引き締めてまいりましょう。
さて、本日は、1日1日と進化を遂げる電子商取引の配送事情について書いてみたいと思います。
舞台は、人口12億5000万人のインドです。
たとえば、我が国、日本でも、Amazonなどで商品を購入すると、翌日、早ければ当日中に配送が完了します。実に便利な世の中になったものです。「日本はすごいなぁ」なんて思いますが、「クリックしたら商品がすぐに届く」事情は、インドも同じです。
しかし、交通事情は日本と違っていました。
インドのトラックドライバーはまさに危険と隣り合わせで毎日仕事をしています。日本のトラックドライバーも「常に危険と隣り合わせ」に変わりはありませんが、インドの場合、日本の労働環境より過酷であると言わざるを得ません。
何故なら、インドでは道路が整備されていないエリアが少なくないうえに、大きな岩などが道路にそのまま放置されていたりするそうです。また、ドライバー自身の労働環境は大変厳しいもので、ミルクティーをがぶ飲みし、噛みたばこを嚙んで眠気を抑えて運転しています。
これらの過酷さを結論付ける数字がここにあります。
14万1526人
これは、2014年のインドにおける交通事故の死亡者数です。
この数字に驚くためには比較対象が必要ですから、試しに日本の統計数字を見てみますと、警察庁の2015年度発表の2014年の日本における交通事故死亡者数は「4,113人」となっております。
単純計算はできないでしょうが、日本の人口はインドの1/10程度であることから、この「4,113人」を10倍したとしても、4万人程度だという計算ができます。インドの交通事故死亡者数は14万人ですから、3倍以上ということになります。
「クリックしたらすぐに商品が届く」の裏側には、日本のみならず、世界中で問題を孕んでいるようです。