※ホンダ「City-Brake Active System

先月、ITS会議が9年ぶりに日本で開かれました。

ITS世界会議は、世界3地域を代表するITS団体(欧州:ERTICO、アメリカ:ITS America、アジア太平洋:ITS Japan)が連携して、毎年共同で開催する唯一の世界会議であり、技術開発ばかりでなく、政策、市場動向など、幅広い観点から情報交換し、ITSの普及による交通問題の解決及びビジネスチャンスの創出を図ろうとするもので、シンポジウム、展示、ショーケースなどから構成され、通常開催期間は4~5日間となっています。第1回目を1994年にパリで実施以来、毎年欧州、アジア太平洋、米州を持ち回りで実施しています。

ITS世界会議とはーITS Japan

参加者20,691人、参加した国や地域は65ヶ国だったそうです。最近では、各メーカーが開発やシステムの導入に力を入れていることもあり、「自動運転」や「安全運転支援システム」という言葉を耳にする機会も増えたように感じます。安全運転支援システムとは、簡単にいってしまうと、「ドライバーが安全に運転できるように支援するシステム」です。現在、各メーカーがさまざまな安全運転支援システムを発表している中で、やはり一番分かりやすいのは、プリクラッシュブレーキシステム(衝突回避支援システム)ではないでしょうか。安全運転支援システムを導入・搭載している各メーカーは次の通りです。

スバル EyeSight(アイサイト)
搭載されたステレオカメラが周りを認識し、自動ブレーキをかけたり先行車を自動追従するなど、クルマが自動で制御する先進の運転支援システム。
【搭載車種】EXIGA、IMPREZA G4、LEGACY B4、XV、FORESTERなど

三菱自動車 e-Assist
事故の危険を検知してドライバーに知らせるとともに、被害を予防・回避・軽減できるようサポート。できる限り事故被害を減らし、安全運転を続けてもらうために生まれた、先進の安全技術。
【搭載車種】アウトランダー、アウトランダーPHEV

マツダ i-ACTIVSENSE
i-ACTIVSENSEは、事故が避けづらい状況での衝突回避・被害軽減を図るプリクラッシュセーフティ技術に加え、認知支援を行いドライバーの安全運転をサポートするアクティブセーフティ技術で構成されています。
【搭載車種】ATENZA、CX-5

ニッサン インテリジェントブレーキアシスト
クルマの前方に取り付けられたセンサーが、前のクルマとの距離を測定し、センサーが追突するかもしれないと判断した場合には、警告の表示と音でドライバーに知らせてくれます。また、衝突が避けられない場合には、ブレーキをかけ、被害を最小限に抑えてくれるすぐれもの。
【搭載車種】エルグランド、シーマ、フーガハイブリッド、フーガ、スカイラインなど

トヨタ 衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステム
ミリ波レーダーで検知した情報に、ステレオカメラによる立体物認識情報を付与することで、クルマや障害物に加え、「歩行者」の検出もできます。またヘッドランプ内蔵の近赤外線投光器により、夜間の検知をサポート。
【搭載車種】レクサスLS600h、レクサスLS600hL、LS460、LS460L

ダイハツ スマートアシスト
レーザーレーダーセンサーが前方を監視。認識結果から衝突の回避、あるいは被害軽減をアシスト。車速約4〜30kmで走行中、前方約20mの範囲内にクルマがあることを検知しているときに作動します。「なぁんだ、30kmまでなのか」と思われるかもしれませんが、実は追突事故の約60%が30km/h以下の低速域で発生しています。
【搭載車種】ミラ イース、タント、ムーヴなど

ホンダ シティブレーキアクティブシステム
約30km/h以下での前方車両との衝突の回避・軽減を、自動ブレーキで支援。また、前方に障害物がある状況で、アクセルペダルを踏み込んだ場合に、急な発進を防止する機能も備えています。
【搭載車種】フィット、オデッセイ、エヌ ワゴン(11月20日発売)

スズキ レーダーブレーキサポート
渋滞などでの低速走行中、前方の車両をレーザーレーダーが検知し、衝突を回避できないと判断した場合に、自動ブレーキが作動。追突などの危険を回避、または衝突の被害を軽減します。レーザーレーダーがワイパー作動域にあるため、雨天時にも作動する。基本的には歩行者や二輪車は検知しないそうですが、状況によっては作動する場合もあるようです。
【搭載車種】スペーシア、ワゴンR、ワゴンRスティングレー

いすゞ VAT
先進視覚サポート技術。ミリ波レーダーは、従来のレーザーレーダーに比べ、天候や汚れの影響を受けにくく、高速道から市街地まで幅広い車速域をカバー。カーブ走行時の追随性にもすぐれています。「ミリ波車間クルーズ」はオプションのようですが、ミリ波車間クルーズは、先行車を検知すると、設定された車間距離を維持するようエンジン・補助ブレーキ等により加速・減速を行います。
【搭載車種】ギガ、ガーラなど

日野 PCS (プリクラッシュセーフティ)
PCSは、衝突時の速度を抑え、衝突被害の軽減に寄与するシステムです。走行中、ミリ波レーダーが常に前方を検知・分析。万一追突の恐れがある場合に警報やブレーキ作動で注意を促し、追突の可能性が高くなるとより強力なブレーキが作動します。
【搭載車種】プロフィアなど

三菱ふそう AMB(衝突被害軽減ブレーキ)
走行中にレーダーで前車との車間距離を監視。衝突の恐れがある場合に警告やブレーキ制御を行い、衝突被害を軽減するAMB(衝突被害軽減ブレーキ)を長尺カーゴ及びFP-Rに標準装備。車間距離が近づき過ぎた場合など、警報音で注意を促すとともに、万が一衝突の可能性が高いと判断した場合に、ブレーキ制御で速度を低減し、ドライバーの危険回避操作と合わせて被害を極力軽減します。
【搭載車種】スーパーグレート(10t級の大型トラック)など

その他、海外のメーカーでも、「ボルボ ヒューマン・セーフティ」「フォルクスワーゲン シティエマージェンシーブレーキ」「メルセデス・ベンツ PRE-SAFEブレーキ」「BMW 衝突回避・被害軽減ブレーキ」「ゼネラル・モーターズ オートマチック ブレーキ」「フォード・モーター アクティブ・シティ・ストップ」などがあります。

各メーカーや機関は、これまで交通事故による死傷者を減らすためにさまざまな研究開発を行ってきました。シートベルトから始まり、エアバッグや衝突安全ボディなど。交通事故による死傷者も減少を続けていましたが、ここ数年でさらに減らすことが難しくなってきました。これを乗り越え、さらなる交通事故死傷者減少を考えた場合、自動運転や安全運転支援システムを無視することはできないでしょう。安全運転支援システムの研究開発を行っている方が次のように言っていました。

もしかすると、ドライバーのいうことを聞くと、事故に遭ってしまうかもしれない。車の方が正しい判断をしている場合には、車の判断を優先させる仕組みが必要になってきている。

たとえば、ダイハツが去年12月に市場に投入した衝突を回避する装置(スマートアシスト)ですが、ダイハツに問い合わせて確認したところ、「ほとんどのお客様が装着されています」とのこと。クローズアップ現代の動画にも、「このクルマ(タント)の購入者の約8割が装着」とあります。それもそのはず、タントに搭載されるスマートアシスト、なんと金額は5万円。自身や家族の安全を考えた場合、これを高いと感じる人は少ないと思います。百聞は一見に如かずということであなたも各メーカーの先進技術である安全運転支援システムを体験しに販売店に足を運んでみてはいかがでしょうか。

(蛇足)運転免許がゴールド免許であれば保険料の割引があるわけですから、安全運転支援システムを搭載したクルマに乗った場合、これについても保険料の割引がありそうなものですが、今のところ(2013/11/14現在)安全運転支援システムを搭載したクルマに乗っているからといって特別な保険料の割引等はありません。日本では金融庁によりプリクラッシュセーフティシステムの保険料割引を行う事が規制されているため、保険料割引は行われていません。2013年7月にはアメリカンホーム保険会社が自社裁量で決定できる割引額の上限である5%であれば衝突被害軽減ブレーキ装置割引を導入できると判断して、顧客からの申し込みを受け付けていたそうですが、金融庁の勧告を受けて割引を中止するという事が発生しています。安全運転支援システムが今より普及していけば、このあたりの動きもありそうなので動向を注視したいと思います。