皆さんは船がどれくらいの距離で停止できるのか、ご存知ですか?例えば、車の場合、「あっ!危ない!」と思った瞬間に「キキキーッ!」と、フットブレーキを踏むわけですが、船の急ブレーキはちょっと違います。

船が通常の航海速力から緊急に停止する場合は、船にはブレーキがありませんので、通常はプロペラを逆回転に切換え、エンジン出力を最大にしながらプロペラを回して停止します。1秒でも早く止まり、1mでも停止距離を短くするためにバック(後進)するのです。

船舶の大きさ、航行速度、積み荷等、その他もろもろの条件によって異なりますが、250m〜300m級の船舶の停止距離は4〜5kmだといわれています。急ブレーキ(後進/エンジン出力最大)をかけてから、4〜5kmも進んでしまうなんて…車以上に「急には止まれない」ということですね。

7>5

この記事を書いている私も忘れてしまいそうでしたが、
これは不等号というものですよね。
「7の方が5より大きい」
実は、交通事故というものは、この不等号と同じくらい簡単なのです。

交通事故は何故起こるのか?
と、考えたとき、「衝突」するからです。
車と車、車と建造物、車と人。
「衝突」こそが「事故」なのです。
そして、衝突は次の不等号で表すことができます。

停止するまでの距離>障害物との距離

障害物までの距離より停止するまでの距離の方が長いから、衝突します。実に単純明快ですね。基本的にドライバーは前方もしくは後方に人や車、建築物などの障害物を発見して「危ない!」と思ったら、反射的にブレーキを踏んで止まろうとします。自分からぶつかろうとする人はいませんから、当然です。

ブレーキを踏んで間に合えば、障害物の手前で止まります。そして障害物の手前で止まれば交通事故は起きません。つまり、安全運転とは、「衝突が起きる前に必ず止まるような運転」ということになります。では、何故、交通事故は起こるのかということを考えたとき、先ほどの不等号の話に戻ります。

交通事故が起こる理由は…

「停止するまでの距離よりも、障害物との距離が短いから」

そんなことは当たり前だと思うかもしれませんが、その「当たり前」が事故の原因なのです。あなたが時速50kmで進んでいる場合、障害物を認知した後、停止するまでに必要な距離は32mです。障害物との距離が25mであれば、当然衝突します。

船舶ほどではないにしろ、車も「急には止まれない」のです。そのことに事故を起こしてから気付くより、今気付いてほしいと思います。

では、本日で交通安全運動も終了しますが、油断することなく、慣れることなく、引き続き安全運転でお願いします。