交通事故慰謝料協会のスタッフは、日々、交通事故被害者へのアドバイスやフォローをしているわけですが、示談交渉に役立つ判例・事例以外にも「交通安全運動」にも力を入れています。そのため、かなりの数の書籍や論文、データ等の資料に目を通しています。一般の方が読まれるものから本屋さんには置いていないような専門的なものまで…中でも非常に興味深く、勉強になると感じた本を一冊皆さんにご紹介したいと思います。企業内の交通安全活動等にお役立ていただければ幸いです。

その本とは…

交通心理学が教える 事故を起こさない20の方法(長塚康弘)

例えば、「プロが語る無事故の秘訣」というものが紹介されています。そこには、長塚氏が長年無事故運転の記録を持つ優良ドライバーをいくつかの会社から推薦してもらい、面接し、その体験談等がまとめられています。実に説得力がありますので、ちょっとだけご紹介いたします。

①速度を抑える
運転では、とかく加速したり、追い越したりしたくなるものです。
無事故ドライバーは、このような「はやる気持ち」を抑える構えを持っているように思われます。
スピードを控えめにする、車間距離を十分にとるということです。

②周りの状況を十分に確認する
道路状況、特に冬は路面の変化を的確にキャッチすることや、信号に頼ることなく十分な確認を
心がけることが大切です。
ある運転者は田んぼの中でも、クルマが来なくても一時停止・確認に努めたと語りました。
同僚に「馬鹿げている」と言われたそうですが、それでも一時停止を実行し続けました。
そうしないと止まってよく見るという習慣が身につかないから、というのです。

③簡単に立腹しない
運転中には簡単に腹を立てないよう感情の興奮を抑える努力が必要です。
事故発生に伴う家族や身近な人々への迷惑などを考え、焦りや怒り、興奮などの衝動を抑制しよう
と努力することです。

④自分のペースを守る
自分のペースを崩さない。
あおられたりしても他人(他のクルマ)の影響を受けない。
冷静で落ち着いた構えの運転に努め、実行したそうです。

⑤ことごとく事故の回避に努める
事故はもらい事故でもプロの恥で示しがつかない。
絶対に起こしてはならないと自分に言い聞かせてハンドルを握ります。

⑥他人(他の交通)に迷惑をかけない運転をする
自分が今やろうとしている運転が他人に迷惑を及ぼさないかどうかを常に考え、もし、悪影響を
及ぼすと思われる場合にはその運転をしない、控えると語りました。

(引用元:交通心理学が教える 事故を起こさない20の方法)

いかがでしょうか?
特に②の田んぼのエピソードは勉強になります。長塚康弘氏によって書かれた「交通心理学が教える 事故を起こさない20の方法」は、非常に専門的で深みのある話が、誰でも分かるように簡単に書かれています。専門的なことを簡単に伝えるためには、知識や経験が必要です。長年、心理学を学び、教え、社会的活動としても独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)適正診断専門委員などを務める長塚氏だからこそ書ける本でしょう。

営業や配達などでドライバーをかかえる企業の交通安全指導等にも非常に役立つ大変素晴らしい書籍だと思います。

ご興味がある方は、是非、ご購入してみて下さい。

交通心理学が教える 事故を起こさない20の方法
長塚 康弘(著)
新潟日報事業者 (630円)