交通事故は突然やってくるのもですが、ある日、あなたが交通事故に遭い、その相手方が無免許運転や飲酒運転だった場合、あるいは「ひき逃げ」の被害者となり、加害者の特定が困難な場合など、保険や賠償はどのようになっているのかをここで確認しておきましょう。
 
平成24年 犯罪白書によると、無免許運転の発生件数は年間31,603件、酒気帯び・酒酔いが35,672件、ひき逃げは11,270件となっています。

相手が無免許運転だったら

たとえ、加害者が無免許運転であったとしても、自動車事故で人にケガを負わせた場合には、自賠責保険・対人賠償保険がいずれも適用となります。また、被害者の自動車や家屋などを破損させた場合にも、対物賠償保険が適用されますのでご安心下さい。

自分が無免許運転で交通事故を起こし、ケガをした。保険は使える?

無免許運転で自身がケガをした場合は当然、被害者ではないのですから保険金は支払われません。たとえば人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険、自損事故保険など、自分のための保険はいずれも支払われないというわけです。また、同じ原因でマイカーを破損させた場合にも、車両保険金は支払われないばかりか、法令違反になりますから、健康保険による治療は受けられません。罰金などの道路交通法違反を受けることとなり、常習犯、きわめて悪質だと判断されれば逮捕されることもあります。自分のことに関していえば、自業自得だといってしまえばそれまでかもしれませんが、あなたのご家族や大切な人の顔を思い浮かべ、無免許運転は絶対にしないで下さい。
 

 

飲酒運転で相手にケガをさせてしまいました。保険は使える?

自動車事故で人にケガを負わせた場合、まず自賠責保険、そしてその支払限度額を超えた場合に任意保険(対人賠償保険)が適用されます。そこで、飲酒運転であっても保険が適用されるかといえば、適用されます。まず自賠責保険の場合、契約者・被保険者による悪意で生じた損害の場合、保険金は支払われませんが、被害者保護を目的としていることから、飲酒運転でも保険金は支払われます。

任意の保険の保険金が支払われない4つのケース

  1. 契約者や被保険者がわざと起こした損害
  2. 戦争・内乱・暴動による損害
  3. 地震・噴火・津波・台風・洪水・高潮による損害
  4. 核燃料物質など有害な特性などに起因する事故による損害

一方、重大な過失や法令違反、被保険者の無免許運転、酒酔い運転および麻薬等の影響下での運転で起こした事故であっても、被害者保護の観点から保険金は支払われます。
 

 

ひき逃げされた場合、保険金は支払われるの?

ひき逃げ事故の場合は、加害者の特定に時間がかかったり、最悪の場合は加害者を特定できないこともあります。このような場合には加害者側の自動車保険に請求することができませんので、被害者側が加入している自動車保険への請求を考えます。人身傷害補償保険や無保険車傷害保険が対象となります。しかし、中には「まさか自分がひき逃げされるとも思っていないし、車の免許も持っていないから保険にも入っていない!」という方もいらっしゃると思います。そのような場合や、自動車保険等に加入していても補償の対象外になるケースでは、自動車損害賠償保障法に基づいて設けられている政府保障事業というものを活用します。
 
万が一、ひき逃げの被害者となってしまったときは、必ずその場で警察に届けて下さい。警察に届けていないと、交通事故証明書が発行されず、人身事故にあった事実を証明するものがないため、損害てん補を受けられない場合があります。
 
政府保障事業に関して詳しくはこちらをご覧下さい。
自動車総合安全情報 政府保障事業への請求に関すること
 
このようにみてみると、たとえ、無免許運転や飲酒運転、ひき逃げ被害に遭ったとしても保険金(補償・損害てん補含む)は支払われます。しかし、これはあくまでも保険が被害者救済を目的としているからです。無免許運転や飲酒運転、ひき逃げを行った加害者を救済するものではありません。ご自身や他人の命を奪う危険性がきわめて高い無謀な行為は絶対にしないで下さい。車やバイク、自転車を運転するときは、「もしかしたら、今日、自分が事故を起こす可能性、あるいは事故に巻き込まれる可能性がある。当事者になる可能性はあるんだ」ということを忘れないようにして下さい。
 
(参考)平成22年版 犯罪白書