「示談交渉はいつ頃、始めればいいのですか?」
当協会には、このようなメールが相当数届きます。示談交渉を開始するタイミングは、ケガが完治したとき、あるいは「ケガはこれ以上、良くはならない」という、症状が固定し、総損害額が確定したときです。特段の事情等でそれ以前に示談交渉を開始するケースがないわけではありませんが、その場合は、将来的にかかりそうな治療費等も含めてきっちりと請求するようにして下さい。

一般的に示談交渉は、保険会社の担当者が症状固定時期に「そろそろどうですか?」という趣旨の連絡を入れてくるタイミングで交渉のゴングが「カーン」と鳴らされるケースが多いでしょう。もちろん、被害者側から「交通事故の損害賠償を請求したい」と、自ら示談交渉開始のゴングを鳴らす場合もありますが、通常は、正しい金額を上手に請求することが簡単ではないため、ここは「相手から切り出してくることを待つ」という考え方で良いと思います。

示談交渉を開始するまでにやっておきたいこと

先にもご説明したとおり、示談交渉の開始は被害者側から切り出してもまったく問題はありませんが、ほとんどが保険会社の方から先に動きます。しかし、困ったことに、始めに保険会社が提示してくる金額は「妥当な金額」ではないことが多く、結局のところ、こちら(被害者側)がネットや書籍、法律家や交通事故の専門家などに相談したりしながら、知識を身につけ、理論武装(というと大げさですが…)をし、相手に内訳を問い、各項目ごとに慰謝料は適正か?逸失利益は本件の場合、これが妥当なのか?後遺障害慰謝料はいくらで計算されているか?等を確認し、それが間違っていれば正し、保険会社の担当者に妥当な賠償額で請求し返すことが必要になってきます。

そのためにも、「少なからず自分自身でも損害賠償について必要な知識を身につけなければならない」という心構えをしておくべきでしょう。「損害賠償についての必要な知識」は、当サイトのようなウェブサイトを参考にしたり、書籍も参考になります。書籍については、「交通事故」に関するものは通常の書店ではほとんどありませんので、アマゾンなどを上手に活用すると良いでしょう。また、さらに分からないことや疑問があれば、弁護士会や都道府県、市役所、区役所、損害保険協会等で行っている交通事故相談所で相談することも有効です。

これらのどの方法で「損害賠償についての必要な知識」を得ようとしたときの注意点があります。それは、もっとも重要なものは時間だということです。よくみるケースで、自分が交通事故被害者になり、危機感を抱き、自身でも書籍やウェブサイト等でそれに必要な知識、情報を収集します。しかし、そこに時間をかけ過ぎてしまい、保険会社の担当者の攻めに対し、すべてが後手後手となってしまうのです。そうなってしまっては意味がありませんから、自分のケースの場合、そのような方法(誰の力をどこでかりるのか等)がもっとも効率的であるかということを考えることが重要になってきます。

特に後遺障害12級以上のケースについては、真剣に専門家への依頼も検討しましょう。もちろん、専門家に依頼すれば報酬を支払わなければなりませんが、コストパフォーマンスで考えれば、その効果は非常に高いといえます。(悪徳専門家にはご注意下さい)また、14級や後遺障害なし(非該当)のケースでは、専門家に依頼をすると、いわゆる費用倒れになることもあります。そのようなときは、依頼するのではなく、相談というかたちで「専門家の知恵」をかりることをおすすめします。

迷ったときは、「自分のケースは一体、どこの誰に相談すれば一番親身になってくれるのか」ということをひとつのものさしにするといいでしょう。