これは一概には言えませんし、そもそも「運転が上手ければ交通事故を起こさないだろう」という
ご指摘があることも想像できますが、日頃、交通事故被害者と保険会社との交渉をお手伝いさせて
いただいている私どもが感じていることがありますので、ご参考程度にお読みいただければと思い
ます。
よく「◯◯君は運転が上手い」や「△△さんの運転はヘタだ」などということを耳にしますが、
それらは何を基準にいっているのかと考えた場合、同乗者の乗り心地や交通事故を起こさないこと
や、コーナリングやギヤチェンジの仕方等、純粋にドライビングテクニックのことを指しているの
かもしれませんし、あるいは、やたら滅多にクラクションをならなさないような運転を常日頃して
いる姿を見て、私たちはそう感じているのかもしれません。

しかしながら、私たちは知っています。
どれだけ運転が上手でも交通事故を起こす、あるいは巻き込まれることとは紙一重だということを。

そして、この「運転が上手い」といわれている人たちが交通事故被害者になったとき、概ね共通点
があると私たちは感じています。

それは、「交渉が上手い」「冷静で正しい判断が多い」ということです。
私たちが「運転が上手い」と感じている要素は先に挙げた以外にもたくさんあるのでしょうが、
基本的に、「視野が広い」「落ち着いている」というものでしょう。

この「視野の広い」人たちは、保険会社との交渉時や私たちとの相談時にもその力を発揮します。
常に「全体の流れ」を把握しようとしていることが見て取れるのです。

保険会社との交渉に関わらず、「全体の流れを見る」という冷静さは、交渉を有利に進めていく上
で非常に大きな要素になります。
交渉事において、保険会社がブレーキをかけない。
あなたもブレーキをかけなければ、お互いはぶつかり合い、「交渉決裂」それは第二の事故だとも
いえる状況になってしまいます。

あなたの交渉相手である保険会社は、(基本的には)交渉や賠償でいうところの「交通ルール」に
は従っているということを理解することが円満解決への近道です。
中には、(交渉事において)スピード違反や信号無視、あるいはその他、反則技ともいえる手段を
とってくる担当者もいるかもしれません。
しかし、そのようなときだからこそ、あなたは冷静であるべきです。

実際の交通事故も加害者が交通違反をしたうえでの事故というのは、大変不利になるものです。
交渉事においてのルール違反もそれと同じです。
相手が反則技を使ってきたとすれば、こちらは冷静な行動で大きなアドバンテージをとる機会なの
です。

そのような考えまでには至らないにしても、いわゆる「運転が上手い」といわれている人たちが、
交通事故被害者になったとき、視野を広く、全体の流れをみながら、保険会社や私たちのような
専門家と接していると感じることが多いのではないかなと思ったりします。